絞り染の歴史は古く、インドの染色技術が大陸との交流により、佛教などとともに日本に渡来したともいわれ、六、七世紀頃にはわが国でも、各地で行われていました。その後、絞り技術が次々と改善工夫され「鹿の子絞」に代表される高度で精細な技術が考案され、江戸時代前期には全盛期を迎えました。今日までその技術、技法は伝承され、現代生活に華麗で優雅な数々の、絞り染製品を提供し愛用されてきました。



「京鹿の子絞」は千数百年の長い伝統を受け継いで京都で生産される絞り製品の総称で、その代表的なものに「疋田絞」があり、一般に「鹿の子絞」といわれています。絞り染は友禅と異なり、糸で布地を強く括り締めることにより染色されない部分を作り出し、その
染色されない部分で模様を表現し、また括りによって布地に“しわ”や“括り粒”で立体感を持たせる独特の技法で、染色は浸染の方法で行います。




●絞り下絵●
絞り下絵はデザインにもとづいて、小さい円、または細い線を渋型紙に彫り、布地に刷毛でこの下絵を刷り込みます。この下絵は型紙の穴や線でどのような技法を用いて括るかが判る仕組みになっており、その後の加工技術の指図をするものです。

●疋田絞●
指先と絹糸だけを使って括る技法で、絞り目を一粒ずつ絹糸で三回又は七回括り、小さな絞り模様の集合で模様を構成します。絞り技法の中でも、もっとも技術力と時間を要します。

●桶絞●
桶絞は専用の木桶の内側に防染部分を入れ、染色する部分だけを桶の縁に出し藍で強く締めて、木桶を密封し桶ごと染液の中に漬けて染色する技法です。

●帽子絞●
防染部分を竹の皮(近年はビニール)で覆い根元を糸で強く巻いて、染液の侵入を防ぎ染色する技法です。

●浸染●
一回の染色で一色しか染められないため、複数の色で染める場合は、染め分け作業を繰り返し行います。絞り染は括りという特殊な防染加工をしたものを染色しますので、商品を直接染液の中に浸けて染める、浸染法によって染色します。

●ゆのし整理●
蒸気をあて手作業によって帽出しを行います絞りの風合いを生かした仕上げをします。