2007年01月01日
新年のご挨拶

 

新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。
本年が染織業界にとりまして、良い年になります様に心より願っております。

 我々の業界もここ数年、生産量が下降の一途をたどっております。
しかしながら着物姿の女性を京の町で見る機会も大変多くなってまいりました。もちろん、京都府、京都市、また業界団体皆様の取り組みが効果を上げてきたことも事実ですが、やはり日本人には潜在的に「きもの」に対する憧れがあることも見逃せない事実であると思います。
 そうした中で業界の生産量が慢性的に減少傾向になることは、どこに原因があるのでしょうか。この点に於いて我々は根本的に考え直さなくてはならない時期にきているのではないかと思います。我々業界が消費者の心をしっかりと捉えているかどうか、例えば商品価値がどこで決められているかが分かりにくいため透明性が低く消費者の信用が得られない、また流通の複雑さや消費者ニーズにあった商品作りができているのかといった問題。どれひとつを取り上げても業界の人間である私にも分からない部分が多くあります。
 その中で昨年は呉服の大型店が春と夏の終わりに倒産し、秋口からその影響は、もの作りの現場に染出しの減少という形で現れてきました。対岸の火事といった捉え方をする方もおられますが、現実は我々の根本的な問題であると認識しております。
 昨今は地方の小売り屋さんが京都へ仕入れでくるということがめっきり減ってきたと聞いております。呉服屋さんといえば家庭の奥まで招いていただける立場だとお聞きしていたのですが、そういった日本文化がいつ頃から無くなってしまったのでしょうか残念でなりません。
 私どもの組合も様々な事業に取り組んでおりますが、その中でも取り分けカルチャー事業には力を注いでまいりました。そのひとつである、手描友禅体験研修教室の卒業生は千人を超えました。現在も続けておりますが、遠くは秋田や宮崎からもご参加をいただいております。その皆様の意見をお聞きしますと、自分の手で作品作りをする楽しさはもちろん、職人さんの「わざ」や経験による「知恵」を垣間見ることによって京都の奥深さを感じると異口同音におっしゃいます。今後とも本物を知っていただき、着物ファンになっていただくためにも、組合としてこの事業を継続していきたいと思っております。

最後になりましたが組合員をはじめ業界皆様方の御健勝と御多幸をお祈り申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。

京都手描友禅協同組合
理事長 林 實